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甲州とジャンシスロビンソンMW [甲州について]

このたび、甲州のプロモーションを担うプロジェクトチーム「KOJ」の努力により、ジャンシスロビンソンMWのセミナーが、山梨と東京でそれぞれ行われる運びとなりました。

(弊社のHPでもアップされていますが、詳細をお知りになりたい方はこちらをご覧ください。)
http://www.grace-wine.co.jp/event/20100222p1.jpg


私の亡くなった祖父は、甲州のことを、「これがヴィニフェラの香りだよ」と教えてくれました。
まだ、甲州が、ワイン用葡萄として二流として考えられていた時代。甲州も、食用葡萄と同様に捉えられていました。
その後も、勝沼で一番最初にカベルネソーヴィニヨンを植栽したり(残念ながら、その畑は、病害で壊滅してしまったのですが・・)、先見のあるひとだったように思います。

そんな祖父でも、よく「日本のワインが世界のワインと肩を並べられるようになるなんて、鯉が滝を登るよりも難しい」と冗談めいていたのを、思い出します。

現に、私の祖父が得意だったのは、甲州の甘口ワイン。
補糖をし、発酵を途中で止めることによって、ある程度のボリューム感と残糖を残しながら還元熟成を行う、古酒甲州と呼ばれるようなワインでした。

留学時代、私は、色々な場面で甲州をサーヴィスしました。
時には、ライスワインと中傷されることもありました。
悔しさをかみしめながら、おじいちゃんの言葉が蘇りました。「やっぱり、鯉が滝を登るよりも難しいのだろうか」
それで、まだ始まったばかりだもの。と何だか可笑しくなって、元気になれたりしました。

それが今回、世界のワイン業界において、最も影響力のあるジャーナリストと言われるジャンシスロビンソンMWが、甲州を目的に来日されるということ。おじいちゃんも、あの世で腰を抜かしているかもしれませんね(笑)。

私は、去年、山梨を、いまや日本を代表するソムリエールの結花さんから、ジャンシスロビンソンMWの記事を渡されました。

「やっぱり私は白が好き」
と題された記事には、まるで甲州を後押しするかのようなお話が載っていました。
へヴィーで、樽香がぷんぷんするような赤ワインではなく、これからは低アルコールでフレッシュな白の時代ー
そんなような記事だったと記憶しています。彼女自身、ドイツのリースリングを好んで飲まれているそうです。

私は、浅はかと知りつつですが、この話をきっかけに、甲州は歴史的だけにではなく、市場でも重要な役割を果たすのかもしれないと、セミナーなどでも、甲州は有望とお話させていただいています。

そのなかでも、以前、そのセミナーを取材していただいた方の1人から「甲州は世界のイチローになれるのか」という記事を頂いたことがあります。

今まで、アメリカでは、巨砲と呼ばれるようなホームランヒッターが望まれてきたが、しなやかに巧みにヒットを生み出すイチローのスタイルが、旋風を巻き起こした。イチローは日本の誇りである。甲州は果たしてイチローとなれるのか。というような内容でした。
http://blogs.yahoo.co.jp/londonsakeboy/31358177.html

この記事のことを父に告げると「悲しいけどイチローにはなれないでしょ。」と一蹴。
それでも甲州の歴史を考えると、日本で大事にされている伝統工芸と同じような重みがある。
何としても、ここは、世界のイチロー、世界のトヨタ、世界の京都となって欲しい。

甲州とジャンシスロビンソンMWのこれまでのつながりはと言うと、2000年、イギリスのファイナンシャルタイムズにおいて、ジャンシスロビンソンMWは、「日本で飲んだ最も美味しかったワイン」として、弊社の「グレイス甲州1999」に言及してくれていました。
アルザスのピノグリを連想させるとおっしゃっていたことが印象的でした。
ジャンシスロビンソン ファイナンシャルタイムズ.jpg


また、去年には、香港で行われたオークションで、ジャンシスロビンソンじきじきに、グレイス甲州菱山畑を日本を代表するワインとして紹介していただきました。

ジャンシスロビンソン 香港イベント.jpg


世界のワインの権威者が、甲州のセミナーを行うのは、2004年のロバートパーカー以来。
「樽を使ったへヴィーなワインを評価する」として日本で知られたロバートパーカーが、アルコール度数10%程の甲州に対して高評価を下し、その後行われたセミナーでは、樽を使ったシャルドネではなく、ライトで甲州を意識させるかのような品種のワインを並べた事に、驚き感嘆しました。

世間の評価では、ロバートパーカーと対照が際立つジャンシスロビンソンMW。もうひとりの世界のワインの権威者が、甲州に対してどんな見解を示されるのか、どきどきしています。
(もっとも、ジャンシスロビンソンは、その著書の中で、ロバートパーカーのライターとしての姿に敬意を示しており、彼らが対立関係にあると言ってしまうのは、少し浅さかなようです)


今回のセミナーの立役者となった「KOJ」についてもおいおいきちんとお話しようと思っていますが、経済産業省の事業として採択された、いまや行政も本気の「甲州輸出プロジェクト」です。
http://www.koshuofjapan.com

・・・おじいちゃん、それにしてもすごい時代になりましたね[ぴかぴか(新しい)]




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