驚きの甲州が生まれました

例えばｼｬﾙﾄﾞﾈの、
B95や、メンドーサといったような
同定されたクローンが、
まだ甲州にはありません

明野町にある自社農園では、
苗木屋から購入した穂木以外にも、
特定の農家さんから譲っていただいた
剪定枝を穂木として、
様々な系統の甲州を植えています




棚仕立（茅ヶ岳山麓）の甲州（左）と、
垣根仕立の甲州(右）の違い・・・

どちらも高い品質の甲州ですが、
身なりはまるで別品種のようです


この樹の中から、
さらに優良選抜するべく、
糖度の上がり易いもの、
樹勢の弱いもの、
味わいが良い房をつける樹を
マーキングし、
それらを増やしていくことが
今後の課題です

今年は熟期を合わせるため、
系統別に細かくロットを分けて
収穫しています

これまでに
3ロットを収穫し、
残りは6ロットほど・・・

これからは、いかに適期に
収穫できるか
お天気との戦いです

先週収穫した垣根甲州


なんとこの中には
こんなスーパー甲州も


棚仕立の甲州と比べると、
その差は歴然としています


そして、糖度はなんと25度・・・


これだけの垣根仕立の甲州が
植えられている畑は、
世界中に、三澤農場だけですので、
おそらくその中で変異したのでしょうか・・・

昔、父が甲州の垣根仕立に挑戦するものの、
樹勢が強い甲州に、
徒長を促す垣根仕立が合わなかったのか、
花が咲かず、実をつけなかったり、

穂木から育てるのではなく、
実生栽培として、何百粒と
甲州の種を植えるものの、

なかなか面白いと思われる
特徴を持つ甲州は生まれず、

道のりの長さを感じていました

垣根仕立の甲州を見ていると、
不可能なことなんて
無いんじゃないか・・・

そんな励ましと、

毎日、毎年、新鮮な驚きを
いただいていますが、

これは、先代の根気と、
栽培醸造スタッフみんなの協力
のもとに生まれた財産のようなもの

写真を見て、
「これは甲州らしくない」と
感じる方もいらっしゃるかもしれません。

それでも、
1000年前に甲州が
日本に伝播した頃の
先祖帰りの姿でも

甲州の新しい系統であっても、
ワイン醸造に適した甲州の姿を
追い求めていきたいと思っています

まだまだスタートライン。
大切に育てていきたいです