SSブログ

気まぐれ甲州 [甲州について]

今年も、緊張と興奮の中に
「明野甲州」の収穫と
醸造はやって来て、
集中する中、
仕込みは終わっていきました・・・

「明野甲州」は、
北杜市明野町にある
自社農園で
垣根栽培で育てている
甲州です。

今年も、こんな
面白い系統が出たり・・・
甲州仕込み.JPG

わくわくするような発見も
ありましたが、

潮上農場長の言葉を借りると
「気まぐれ甲州」

そんな甲州の一面を
これでもかというくらい
見せつけられた気がします[ダッシュ(走り出すさま)]

通常、バラ房のため
病気になりにくいとされる
甲州ですが、

灰カビ病は少なくても、
ベト病や、晩腐はあります・・・

今回、病気以上に
悩まされたのが、
このような涼しい気候の中で、
「甲州をどの段階で熟したと
判断し、どのタイミングで
収穫するか?」
という問題でした。

他のヨーロッパ品種に比べ、
甲州は、糖度が上がりにくく、
18度では大変良いほうなんです・・・

しかし、ここ三澤農場では、
甲州の糖度20度が、
当然のこととされています。

まだ熟期が達していない
甲州は、
草の様な青っぽさが感じられ、
渋みが強く、
味わいも深くありません。

ところが、少し置いていくと
酸が立ってきて、
過熟気味のような印象になります。
系統によっては、果梗萎縮も・・・

2013年は、暑い年だったので、
ぐんぐん糖度も伸び、
甲州の可能性を
傍で感じることができましたが、

今年の様な、ブドウが熟しにくい年には
逆に去年見えなかった姿が
見えていきます。

今ここで摘まなくては、
というような
熟期が極端に短い
繊細な品種なのか・・・

栄養生長と生殖生長の
バランスも取りにくく、
樹勢のコントロールも難しい甲州・・・

剪定にしても、
長梢につく房と
短梢につく房、形が違う・・・

変異しやすいのか、
枝によって姿が違う・・・

ワインにすると、
これほどまでに
ピュアで素直なのに、
まだまだ分からないことだらけ(笑)

それでも、
甲州の姿を見られるのは
また来年だと思うと、
もう寂しかったり。
甲州2014.JPG


ただ、栽培の作業でも
適正なことをすると、
素晴らしい深い味わいの
ワイン用ブドウに
なってくれますし、

たとえば醸造で
補糖に頼らなかったり、
搾り過ぎなかったりすると、
はっとさせられるような
品を見せてくれる品種であることは
間違いないと思います。

気まぐれ甲州との
試行錯誤はこれから何年も
何十年も続くのでしょうが、

まだ畑には
カベルネソービニヨンが
残っているので、
こちらも頑張らなくては[ぴかぴか(新しい)]


明野甲州で
力を使い果たすところでしたが、

21歳の新米醸造家、
吉沢くんが
「元気になるクッキー」なるものを
焼いてきてくれました・・・[ぴかぴか(新しい)]
吉沢クッキー.JPG

「彩奈さん、絶対に
食べてくださいね!」
かわい過ぎます・・・

手作りお菓子をもらって
嬉しい男性の気持ちが
ちょっと分かりました(笑)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。