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ワイン栓 [海外のワイン]

今、ワイン栓には、いろいろな選択肢があります。

コルクでも、天然コルクもあれば、合成コルクもあり、ニュージーランドやオーストラリア産ワインに多いスクリューキャップ、またガラス栓やプラスチック栓もあります。

やっぱり見た目がきれいなのは、天然コルクですが、天然コルクには、ブショネとよく表現されるコルク臭汚染の問題がつきまといます。通常5%程度の汚染とは言われていますが、実際は多い時で、10%近くのブショネが出ることもあります。
原因となるのは、TCAに代表されるクロロア二ゾール類です。例えば、TCAは、木材に含まれるフェノールと塩素の反応、微生物の代謝が作用し生成されます。前駆物質をたどれば、汚染源ははっきりしますが、「TCAはどこから来るのか」という問いには、さまざまな見方があるようです。
醸造家は、ワイナリー内で塩素を洗浄に使わない、衛生に気をつけるなど、コルク汚染を防ぐために意識していますが、既にコルクガシ(コルクの木)の段階で、TCAが検出されている例もあります。

コルク臭が特に醜い欠陥臭とされるのには、100%は避けられないという他に、少量でも感知しやすい香りという性質があるからだと思います。
ワインコンクールで、審査員をすることがあるのですが、ブショネのワインは、予備のワインに取りかえられます。しかし、その予備のワインが健全だったとしても、どうしても点数が伸びていきません。それは、不快なイメージを取り除くことが難しい香りだからだと思います。このことに気付いた時、これだけ今、ワイン栓の選択肢がある中、ブショネというのは、不運ではなく、醸造家の責任にあると感じました。

中央葡萄酒では、天然コルク、合成コルク、そして今年からは、スクリューキャップを導入します。合成コルクの中には、いくつか種類がありますが、実際にいろいろ試し、DIAMというタイプにたどり着きました。いずれは、質の高い天然コルクと、スクリューキャップの二本化にしたいと考えています。

ガラス栓の見た目はきれいですが、空気との接触が多いことで甲州には向かないと考え、またプラスチック栓は、女性目線からあまり美しいと思えなかったので、採用しませんでした。


ところで、Catenaが採用しているのも、天然コルク、DIAM、スクリューキャップの3種類です。
天然コルクは、全てのロットで、必ず醸造家が試験を行います。

ロットのコルクをそれぞれ、ワインの入った容器に入れ、24時間ひたし、醸造家が、コルクなしのコントロールと比較をしながら、テイステイングをしていきます。
カテナの規模のワイナリーでは、大変な仕事ですが、意味のある仕事だと思います。
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