SSブログ

ラストプレス [ブドウ栽培とワイン醸造について]

今日、最終ロットのカベルネの圧搾(プレス)が終わりました。

赤ワインの場合、ゆっくり丁寧な仕事が求められる気がしています。

私たちのワイナリーでは、

選果→ 発酵・マセレーション→ プレス→ マロラクテイック発酵、貯酒

という順序が取られます。

今、世界では、私たちのワイナリーも含めて、水平のpnematicタイプのプレス機が主流です。
中が風船のようになっていて、空気圧で膨らんだり、しぼんだりすることで、搾る事ができます。

結構閉める扉が重いっ[あせあせ(飛び散る汗)]
プレス機 縮小.JPG


赤ワインは、果汁だけを発酵させる白とは異なり、果皮などの固形物と一緒に発酵させます。発酵後(マセレーション後)、プレスをするために、タンクからこんな感じで取り出したものを、プレス機へ運びます。

タンクからカスを出し中 縮小.jpg

ここで、ミサワワイナリー醸造チームの紹介も。
左は、前川くん。 農大&東京バイオ出身の新人。仕込中は帳面の責任者です。キツク叱っちゃうことがあるのも期待しているから・・ですね(笑)
右は荻野さん。オザミ出身のソムリエ。今年から研修生として頑張ってくれています!すごいよなあ、、同じワイン業界でも全く違う職種なのに・・[ぴかぴか(新しい)]
と、私です。みんな20代!


プレスは、かける圧力の変化などあるものの、「搾る→ほぐす→搾る・・・」の繰り返しです。

水平プレスでは、エアを吸引してドラムが回転することでほぐれますが、垂直プレスでは、手作業でほぐしていきます。

デュボルデュ教授の言葉ですが、この(水平プレスの)搾る、ほぐすのサイクルは、三回までに抑えたいとおっしゃっていました。この時は、白ワイン醸造の授業の時だったのですが、「白ワインはプレス!」という言葉が印象的でした。(ちなみに、赤ワインはマセレーションだとおっしゃっていました。懐かしいです)

白ほどではないにしても、赤ワインも、あまりぐるぐるぐると回すと、皮から嫌な渋みが出る気がします。

と言うのも、私たちの明野のワイナリーでは、ちょっと古いタイプのプレスを使っていて、全部マニュアルで動かしています。

なので、回転時間も、かける圧力も、味をみながら・・・なのです。

ただ、白の場合は、ある一定の搾汁率を超えると絶対と言っていいほど味が悪いのですが、赤を搾っている時は、「何だかいまいちだなあ・・」と思っているものが、プレスの終わりの方になって、良くなったりするのです。


今日は、特に小仕込!と言える量でもなかったのですが、垂直タイプのミニプレスを使ってみました。

まず、入れます。

紹介遅れてしまいました。前川くんの隣・技術の責任者、青木さんです。甘口ワインから遠ざかっていたグレイスですが、「ケルナーレイトハーベスト」は本格的甘口ワインとして定着しつつあります。青木さんの作品です!
圧搾縮小.JPG

搾ります。
圧搾る 縮小.JPG

かきだしてほぐします。
圧搾 かきだす 縮小.JPG

搾ったカスです。最後に、容器を持ってくれているのが、みんなが尊敬する大ベテラン・袖山工場長です。
圧搾カス.JPG
(ミサワワイナリーの販売員・藤原さんは、このカスを干して、ポプリにして持って来てくれます。いい香り[揺れるハート] 他にも、お漬物に漬け込んだりしているそうです[かわいい]


今日のカベルネは、もちろん明野の自社農園産のものですが、ちょっと特別でした。
実験的に行っている「高畝」式という栽培システムを取っているところです。

私も少し留学していたことがあるのですが、ステレンボッシュ大学院でも教鞭を取る、ハンター博士の提案で始めました。

もともとは、水はけのために畝を高く盛っているのですが、pHが低い、小粒で、果皮がしっかりとしている等、面白い結果が出ています。
高畝 ボルドー品種.jpg
今日の高畝カベルネも、糖度もさることながら(24度)、熟したタンニンが感じられました。

私は、赤ワインの時は、垂直型のプレスがいいような気がします。特に、ピノノワールみたいな柔らかさが求められる品種には、合っているような気がするのです。
白品種では、あっという間に酸化してしまうでしょうが・・・
垂直プレスの方が、やっぱり優しく搾れます。


とにかく[るんるん]みんな、長かった今年の仕込、お疲れ様!明日からも一緒に頑張ろうね!


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。