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ブドウ栽培とワイン醸造について ブログトップ
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「Grace Traditional Method 2013」ティラージュ [ブドウ栽培とワイン醸造について]

自社農園のシャルドネから造られる
瓶内二次発酵のブランドブラン
「Grace Traditional Method 2013」の
ティラージュをしました[exclamation]

瓶内で二次発酵をさせるため、
一週間ほど前から酒母を仕込んでおきます[ダッシュ(走り出すさま)]

ミサワワイナリーでは、
酵母、糖分(24g/L)と、
ルミアージュをきれいに行うための
澱下げ用のベントナイトを
使用します[かわいい]

その酒母を、二回に分けて、
ベースワインに添加していくのですが、
空気を入れたり、
ベースワインの量も調節しながら
酵母が少しでも活動しやすい環境を作ります[あせあせ(飛び散る汗)]

ベースワインに酒母を添加した後は、
温度を15度に保ち、比重を見て
瓶詰めに備えます[ダッシュ(走り出すさま)]

ミサワワイナリーでは、
手詰め、王冠を手打栓していきます[exclamation]
image.jpg


「Grace Traditional Method」は、
3年間、澱との接触をさせるため、
この2013年がリリースされるのは、
早くても2017年になりますが、
どうぞ楽しみにお待ちください[ぴかぴか(新しい)]

品切れが続いております
「Grace Traditiona Method」の2010年は、
もう少しでデゴルジュマンを行いますので、
今年末にはリリースできそうです[ぴかぴか(新しい)]

フランス日本合作ワイン? [ブドウ栽培とワイン醸造について]

仲良しのフランス人醸造家が
4年振りにワイナリーに遊びに来てくれました[ぴかぴか(新しい)]

フランスのボルドーで、
日本でも人気の高い
「モンペラ」や、「ジロラット」を手掛ける
デスパーニュ家の醸造家、ティボー[晴れ]
テイボー来社.jpg

ティボーのワインは、力強く、男性的で、
葡萄の味わいをしっかりと感じられる
素晴らしいワインです[exclamation]

私の造るボルドー系品種のスタイルは、
とても女性的なので(当たり前かな笑)
無いものがたくさんあり、
とても勉強になります[ぴかぴか(新しい)]

2013年のタンクサンプルの甲州や、
2012年のバレルサンプル、
メルロ、カベルネフラン、
カベルネソービニヨン、
プチヴェルドをそれぞれテイステイング[かわいい]
テイボーテイステイング3圧縮.jpg


ちなみにこの日、ティボーは
カベルネフランがエレガントで、
プチヴェルドがとてもセクシーだと
気に入っていました[かわいい]

プチヴェルドがセクシーと
言われたのは初めてですが(笑)、

葡萄畑に目を輝かせ、
いつか、フランス日本合作ワインを
造りたいと話すティボーは
まるで少年のよう[ぴかぴか(新しい)]

率直に話せて愉しかった[ぴかぴか(新しい)] 私も頑張ろう[exclamation]
テイボーテイステイング2圧縮.jpg

スケルトン? [ブドウ栽培とワイン醸造について]

幼い頃から醗酵に魅せられてきました。

収穫した葡萄を置いておくと、
何日かするとプツプツと音を立て
段々アルコールになっていきます。

そのことが神秘的に思えて
なりませんでした。

果汁がどんな風に醗酵しているのか
見てみたいと思うことは、
醸造家でも多いのではないでしょうか[ダッシュ(走り出すさま)]

このスケルトン?の
醗酵容器を使ったところ、
醗酵している様子が
見えました[exclamation]
image.jpg


驚いたのは、液体に比べて、
果帽の厚さ・・・[exclamation×2]

私が、イメージしていたのは、
果帽3分の一、液体3分の二でしたが、

なんと果帽の厚みが、液体の
二倍以上でした・・・[ひらめき]

酵母がプチプチ音を立てている
様子も見られました[exclamation]

普通、私達醸造家は、
タンクの上から見ている
果帽と、

果汁をサンプリングしたり、
テイステイングすることによって、
醗酵の様子を判断します。
image.jpg

透けた容器で発酵の
側面を見ることができ、
改めて、
抽出作業の大切さを
実感しました。

日々勉強です[ペン][るんるん]


2013年の仕込みが終わりました。 [ブドウ栽培とワイン醸造について]

一昨日、勝沼の本社ワイナリー、
ミサワワイナリーで
全ての収穫と仕込みを
無事終わることができました[ぴかぴか(新しい)]

今年は、
両ワイナリー合わせて
約250トン仕込みました。
収穫や、選果作業を
お手伝いいただいた皆様
本当にありがとうございました。

まだまだ発酵中のワインはありますので、
もう少しだけ寝袋生活は続きますが、
もうひと踏ん張り
美味しいワインにしていきたいと
思います[かわいい]
image.jpg

高畝カベルネフランを仕込みました! [ブドウ栽培とワイン醸造について]

赤品種の中で、最も心惹かれてしまうのが、
カベルネフラン[ぴかぴか(新しい)]

メドックでは段々と植栽面積が減ってきている
とは聞きますが、

確かに不安定な品種ですが、
葡萄を味わうと、
シルキーなタンニンに、
嫌らしさのない品種・・・

三澤農場では、
カベルネフランの一部を
Ridge system(高畝)として
水分ストレスをかけています[晴れ]

南アフリカのステレンボッシュ大学院
に留学していたことがあるのですが、

コブスハンター教授に、
「成長期に降雨量のある産地で
熟成に耐えられるワインを造る為に」
と、教えていただいた栽培技術です[ダッシュ(走り出すさま)]
収穫圧縮.JPG

カベルネフラン・・・
今年は、花ぶるいが多めです[exclamation]
糖度は、23.4度と熟しています。
CF圧縮.JPG

ちょうど良い醗酵容器が無かったので、
旧樽を分解して、樽醗酵させることに・・・

ボルドーの新進気鋭のオーナー醸造家
モンペラのテイボや、
NZの盲目の醸造家CPに教わったアイデアです。
樽壊し圧縮.JPG

日本人ならではの丁寧な収穫・・・
丁寧な収穫.JPG

選果作業は、
栽培醸造スタッフに加えて、
農家やご近所の女性が、
集まり、選果台を挟んで
世間話・・・

そんな風景が微笑ましいです[ぴかぴか(新しい)]

海外でも選果作業をする機会に
恵まれましたが、
どの国も共通して、
選果は、根気のある女性に
むいているような気がします[かわいい]
選果圧縮.JPG

そして、選果にはBGMが欠かせません(笑)
潮上農場長VS雨宮工場長VS三澤で、
BGM対決です(笑)
下は20歳から、上は65歳まで・・・(笑)
みんなが知っている曲が
場を盛り上げてくれます[グッド(上向き矢印)]
選果BGM圧縮.JPG

樽4つ分の量となり、
全部同じに仕込んでもつまらないので、
破砕のやり方を変えてみることに・・・

まずは、子供の頃よくやらされた(笑)
足破砕[あせあせ(飛び散る汗)]
足破砕圧縮.JPG

足破砕顆粒圧縮.JPG


そして、手破砕[ひらめき]
ボルドー大学に留学していた頃、
デボルデュ教授は、
「足破砕よりは手破砕」と
仰っていたような・・・
手破砕2圧縮.JPG

手破砕顆粒圧縮.JPG

即席のプラスチックのシートを
蓋にして・・・
手破砕足破砕圧縮.JPG


3つ目は無破砕・・・
無破砕圧縮.JPG

そして最後は、
通常の機械破砕[ダッシュ(走り出すさま)] 白いものはドライアイスです。
破砕機顆粒圧縮.JPG

こうやって試すことがあると、
やはりワイン造りは楽しいと
感じられます[わーい(嬉しい顔)][ぴかぴか(新しい)]

3度のご飯より
ワイン造り・・・ですね(笑)[るんるん]

今年もワイン造りに夢中です[晴れ]


マルチ [ブドウ栽培とワイン醸造について]

親しくさせていただいている
ボルドーのワイナリー
シャトーモンペラの
オーナー醸造家であるテイボーは、
地面にシートを貼ることで、
より熟度の高いメルロを
栽培しています[ひらめき]

樹に水分を吸わせない、
シートの色によっては、
反射熱を利用して、
より糖度を上げる、
などのメリットがあります[晴れ]
マルチ.jpg

今月末になり、
北杜市明野町の自社農園では、
昼夜の寒暖さが
15度程になり、
晩熟の葡萄にとっては
好ましい季節を
迎えているのですが、

今年の猛暑の影響が、
早熟ロットに与える影響は大きく、
酸落ちが気になるものも
出てきています[あせあせ(飛び散る汗)]

そこで、テイボーのアイデアを拝借し、
メルロの一区画にシートを貼っています[ダッシュ(走り出すさま)]
マルチ2.jpg

糖酸バランスが崩れてしまう前に、
熟度と糖度を上げたいと思います。

なかなか天候が思い通りにならない時は、
知恵を絞り、こつこつ頑張るしかありません[あせあせ(飛び散る汗)]

以前も書いたかもしれないのですが、
グレイスワインは、どんな気候であっても
酒質は守りたいと考えています[exclamation]

ただ、醸造段階で、挽回しようとすると、
どうしても味のバランスが崩れてしまうので、

できるだけ栽培の段階で工夫したいと
思っています。

メトキシピラジン [ブドウ栽培とワイン醸造について]

カベルネソービニヨンに代表される
ピーマン香に由来するのは
2-イソブチル-3-メトキシピラジン
という物質です。

日本の醸造家仲間では
“メトキシ”などと、
省略して言うことが多いのですが、
葡萄が熟しにくい日本では、
それほど、頻繁に遭遇
するということだと思います[ダッシュ(走り出すさま)]

メトキシピラジンは
ボルドー系赤品種の
欠陥臭の一つとして
捉えられています[あせあせ(飛び散る汗)]

と言うのも、メトキシピラジンは、
太陽光で分解されることが
分かっているので、

例えば、カベルネソービニヨンから
メトキシピラジンを感じ取れると、
未熟と判断されたり、
収量の多さや、
キャノピーマネージメントが
粗雑であることを
指摘されます[ダッシュ(走り出すさま)]

私自身、ボルドー大学に留学していた頃、
「この香りは、ワインが熟成してもずっと残る
未熟香だからよく気をつけなさい。」
と教授陣から叩き込まれた
経験もあります[ペン]

ただ、現場と少し異なるなと感じるのは、
過熟気味の新世界の赤ワインの台頭を受け、
メトキシピラジンが若干ワインにある方が、
フレッシュな印象を受けて、
むしろボルドーらしいという意見があったり
することです[exclamation]

昨日、パリの星付きレストランのソムリエが
ワイナリーを訪ねてくださったのですが、
彼も、同じことを仰っていました。

自社農園がある明野町は、
日照時間が長いこともあり、
カベルネソービニヨンの糖度は
23度超えします[晴れ]

ただ、昨年では25度まで上がったものの、
標高が700mと高く、
カベルネソービニヨンにとっては
気候は冷涼です。

そのため、メトキシピラジンの香りが
残ってしまうことが多く、

これまでは、徹底した選果で
ピーマン香りを抑えるように
してきましたが、
今年は、房周りの葉を
全て除葉することにしました[exclamation]
カベルネ除葉.jpg

カベルネソービニヨンのような晩熟品種は、
これからが勝負になってきますので、
今年のような、
なかなか天候に振り向いてもらえない年は、
知恵を絞って、ひたすら努力する
それしかないように感じています[ひらめき]

メトキシピラジンをめぐっては
よく議論されます[exclamation]

メトキシピラジンが全くワインから
無くなってしまったから、
ワインが全部同じになってしまう
かもしれない・・・

少量のメトキシピラジンは、
複雑味に貢献するかもしれない・・・

私もワインが大好きなので、
ワインラヴァーとして、
そんなことも考えるのですが、

それでも、私は
できるだけ栽培の段階で
メトキシピラジンを抑えたいと
思っています。

技術力の無さを
言い訳にしたくないと言う、
プロとしての
意地みたいなものなのか・・・(笑)

醸造でどうこうしようとすると、
どうしてもバランスが崩れてしまうので、
栽培の段階でできるところは
工夫するのが良いように思っています。










Close... [ブドウ栽培とワイン醸造について]

スパークリングシャルドネが終わり、
いよいよスティルワインも
収穫が近いです・・・[あせあせ(飛び散る汗)]
シャルドネ.jpg

週に一回の分析もさることながら、
畑で、葡萄を味わい、
お天気と相談しながら、
収穫時期を決めていきます[ダッシュ(走り出すさま)]

そしてカベルネフランは、
副梢がたくさん出るなぁ・・・
フランと甲州.jpg

メルシャンワインさんとの勉強会に参加してきました! [ブドウ栽培とワイン醸造について]

今日は、午後大変貴重な時間をいただきました[ぴかぴか(新しい)]
なんと、メルシャンワインさんの
生駒さん、小林さんを中心に、
6名の製造課のみなさまとの勉強会[ペン]

メルシャンの技術力は本当に高く、
以前から、一度腹を割って
聞いてみたいということが
たくさんありました[exclamation]

弊社からは、
仲野工場長、雨宮工場長、
土橋さん、前川くんと一緒に参加[ダッシュ(走り出すさま)]

メルシャンのワイナリーを
案内いただいた後、
シャルドネ6種類、
ボルドー品種6種類を
テイステイング[ぴかぴか(新しい)]

シャトーメルシャンからは、
アンウッドの2012、
北信シャルドネ2011、
北信シャルドネ2009を
テイステイングさせていただきました[晴れ]

弊社からは、比較として
セレナシャルドネ2011、
グレイスシャルドネ2011、
キュヴェ三澤白2009
を持っていきました[あせあせ(飛び散る汗)]

北信シャルドネ2009が
特に素晴らしかったです[ぴかぴか(新しい)]

シャープな酸はとても魅力的[ぴかぴか(新しい)]

樽の使い方も勉強になります[ペン]

小林さんも仰っていましたが、
メルシャンのクリーンで還元的な
造りと、弊社の造りとでは、
ブラインドで見ていったのですが、
かなりはっきりとした差がありました[ひらめき]


赤ワインは、メルシャンから、
城の平のカベルネソービニヨン2012、
メリタージュド城の平の2011、
城の平のカベルネソービニヨン2009、

そしておまけで、

マリコヴィ二ヤードのオムニスの2011、
桔梗が原メルロの2011

も見せていただきました[exclamation]

弊社からは、

セレナエステート メルロ カベルネフラン 2011、
明野カベルネソービニヨン 2012、
キュヴェ三澤 イヌイ(ボルドーブレンド)2009
を持って行きました[ダッシュ(走り出すさま)]

城の平も、明野も同じ山梨でも
違う個性があります[exclamation]

また、マセレーションの期間なども
かなり異なり、とても勉強になりました[晴れ]

驚いたのは、メルシャンの赤には、
ピーマン香りの原因と言われる
メトキシピラジンが無いこと[ひらめき]

これは、徹底した選果と、
正しいセニエの判断をされているから、
と感じました[ぴかぴか(新しい)]


ワイナリーの垣根を越えて、
醸造家どおしで話しあっての勉強会は、
父から薦められました。

父は、昔よく、メルシャンと
サントリーと一緒にこういった
勉強会を開いていたと言います[わーい(嬉しい顔)]

今日とても勉強になりましたし、
エキサイテイングな話し合いに
これだからワイン造りは愉しいと
感じることができました[ぴかぴか(新しい)]

ワイン造りは、本当はとても愉しいもので、
産地があって、畑があって、
それを造るひとがいて・・・
いいものですね[ぴかぴか(新しい)]

そして、シャトーメルシャンの
技術力と努力の片鱗を見させていただき、
同じ醸造家として、たくさんの元気をもらいました[ぴかぴか(新しい)]















フロテーション [ブドウ栽培とワイン醸造について]

サウスオーストラリアでの
研修を終え、
タスマニアへ戻りました[ダッシュ(走り出すさま)]

最新の技術を学ぶには
オーストラリアは適所と
言われていますが、
今回実際に
ヴィンテージを過ごしてみて、
そのことを実感しました[晴れ]

2009年にも、
ハンターバレーと、
マーガレットリバーにて、
4ヶ月働きましたが、
そのときに見た
醸造技術の中には、
もう既にオールドファッションに
なっているものが・・・[ひらめき]

例えば、白ワイン醸造で、
発酵前に果汁を清澄する
「デボルバージュ」
という作業がありますが、
通常は、冷却したり、
酵素を使い、
果汁をきれいにするのが
シンプルな方法です。

産地によっては、
遠心分離機にかけたり、
ベントナイトなどを使い、
果汁を清澄するところも
あります。


何度で冷却するのか、
何時間冷却するのか、
どんな酵素を使うのか、
どんな方法を使うのかは、
醸造家の手に委ねられています[ぴかぴか(新しい)]

白ワイン醸造の場合、
発酵前の一つ一つの
作業がとても重要視されるので、
この「デボルバージュ」における
醸造家の選択も、
のちに造られるワインの酒質に
大きく関わってきます[ぴかぴか(新しい)]


今回、オーストラリアで経験した中で、
「フロテーション」という技術があります[ダッシュ(走り出すさま)]
フローティング.jpg


ここでは、窒素を使い、
固形物を浮かせます。

今までの方法だと、
発酵不良の原因となってしまう
物質や、固形物を
逆に沈殿させて、
取り除くというものでした。

フロテーションを使うことにより、
今まで、半日かけて沈殿させ、
発酵させていたものを、
葡萄をプレスして直ぐに、
発酵へもっていくことができます[ひらめき]


果汁がかなりクリアになりますので、
日本の雨が多い年のように、
病果が多いときは、
非常に有効な手段です。
清澄後.jpg

また、果汁のロスが少ないばかりではなく、
冷却をするエネルギーがかからないので、
非常にエコロジーな手法だと感じました[ぴかぴか(新しい)]

フロテーションは、
今、オーストラリアやNZでは、
さかんに使われている方法で、
私が研修しているワイナリーでも、
この技術を取得していないのは、
私くらいだったのですが、
若い醸造家たちは、
みんなこの技術に関心を寄せているようでした。


技術力をもっと高めて、
ついていきたいです・・・[ぴかぴか(新しい)]









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