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イーストコーストから南タスマニアへ [海外のワイン]

研修先のBay of Firesワイナリーでは、
スパークリングキュヴェのブランド
「House of Arras」のための
葡萄の収穫が終わり、
スティルワインの仕込が始まっています[晴れ]

今年のタスマニアは、豊作です[exclamation]

Bay of Firesワイナリーでは、
スパークリングを仕込む設備が無いため、
同じ会社が所有する
サウスオーストラリアのワイナリーまで、
果汁を運び、
発酵させています[ダッシュ(走り出すさま)]

「ここでこのままスティルワインを仕込むか、
サウスオーストラリアへ行くか、
アヤナの好きなようにしていいよ」
というワインメーカーからの一言[ひらめき]

・・・ということで、今週から一週間
サウスオーストラリアのワイナリーで
続きのプロセスを
研修させていただくことにしました[ぴかぴか(新しい)]

Bay of Firesワイナリーは、
タスマニアでも最も冷涼と言われる、
Ripes Riverに位置しており、
北方にあります。

せっかくなので、イーストコーストへ向かい、
その後は南方へ下り、
ホバートの空港から
アデレードに向かうことにしました[車(セダン)]


まず、イーストコーストの美しさ・・・
タスマニアの中でも、
イーストコーストの葡萄は
最も高品質なものの一つで、
Bay of Firesワイナリーも
契約農家から葡萄を購入しています[かわいい]

イーストコーストでとても
気に入ったワイン[ぴかぴか(新しい)]
フレシネワイン.jpg

Fleycinetという家族経営のワイナリーですが、
スパークリング、ピノノワール、
シャルドネが特に良かったです[ぴかぴか(新しい)]


Fleycinetの畑[ぴかぴか(新しい)]
フレシネ畑.jpg


Hazards Vineyardsというワイナリーの
畑も景観が素晴らしかったです[ぴかぴか(新しい)]
造られているワインのスタイルは、
どちらかというと、ポピュラーなスタイルです。
Hazards4.jpg


近くのマリンファームでは、
Spring Valeワイナリーのシャルドネと、
シーフードを堪能[ぴかぴか(新しい)]
マリンファーム2.jpg


あわび[かわいい]
P1020501.jpg


仕事があったので、
あたってはいけないと(笑)
ずっと食べられなかった
生牡蠣[ぴかぴか(新しい)]
マリンファーム1.jpg

一人ということを忘れ、
頼みすぎちゃった・・・(笑)[あせあせ(飛び散る汗)]


そして、
そのまま南方へ下る予定でしたが・・・

Fleycinet National Parkに
少し寄ることに・・・[ぴかぴか(新しい)]

ハネムーンベイ1.jpg

息をのむ美しさに
時が経つのも忘れ、
すっかりここが気に入ってしまい、
ここで一泊することに・・・(笑)


朝、ローンセストンで車を借りてから、
気付けば、とにかく車を走らせて
780km[ダッシュ(走り出すさま)]

地図を片手に、
時に、動物たちに遭遇し・・・(笑)
思わずハンドルを切ると、
車がスリップしたようになるので、
冷や汗が[たらーっ(汗)]


最後に感動を
与えてくれるものは、
やはり大自然の
美しさでしかないのですね・・・[ぴかぴか(新しい)]





収穫箱の葉っぱの謎 [海外のワイン]

二日間、今働いているワイナリーの
近所にある「Delamere」ワイナリーで
研修させていただきました[ぴかぴか(新しい)]

高品質なワインを造っている
家族経営のワイナリーなのですが、
ご夫婦二人でワインを造っていらっしゃいます[かわいい]

オーストラリアでは
意外と女性醸造家が少ないので、
何だかとっても居心地のよい二日間でした[ぴかぴか(新しい)]

畑とワイナリーでそれぞれ
お仕事させていただいたのですが、
まず畑で、一つの疑問が解けました[exclamation]

今まで、ワイナリーに葡萄が運ばれてくるたび、
「どうして機械摘みではなく、
手摘みなのに、
葉っぱが入っているんだろう?」
と不思議でした。
(どうでもいいことでスミマセン[たらーっ(汗)]

「収穫前に除葉してくれる?」
とワインメーカーに言われて
驚いたのですが、
通常は、除葉と言うと、
ヴェレゾンに入るか入らないかで
行なうことがほとんどです。

オーストラリアでは、
収穫をしやすくして、
収穫のスピードを上げるために、
収穫前に、
房周りの葉っぱを取ってゆくのです[ひらめき]


このときに、収穫箱に
葉っぱが入ってしまうんですね・・・[ダッシュ(走り出すさま)]
リーフプラッキング.jpg


でも、除葉する前と、
除葉前.jpg

した後では、
除葉後.jpg


収穫のスピードにもかなり差が出ることが
分かりました[exclamation]


人件費は、どこの国のワイナリーでも、
この時期は、問題視されます。

できるだけ、効率よく収穫することも、
オーストラリアの価格競争力の高さに
つながっていたのだと
改めて実感です[ぴかぴか(新しい)]


そして畑には・・・
おっコウシュウ(笑)?
甲州?.jpg


オーストラリア産スパークリングワインテイステイング [海外のワイン]

House of Arrasのワインメーカーエド・カーさんと、
Janszのワインメーカーのナタリーさん、
タスマニアを代表するスパークリングワインの
ワインメーカー二人のテイステイングセミナーに
参加させていただきました[ぴかぴか(新しい)]
ワインメーカー.jpg


素晴らしいスパークリングを堪能[ぴかぴか(新しい)]
テイステインググラス.jpg

ヤラヴァレーも、冷涼な地域の
代表格ですが、
実際にこう比べてみると、
ヤラヴァレーのスパークリングと、
タスマニアのスパークリングでは、
酸の性質が違うなと感じました。

タスマニアの酸は、どちらかと言うと
鋭角な酸です。

酸が特徴的なタスマニアのスパークリング
ですが、スタイルは様々です。

Janszのように樽を感じさせるパワフルな
単一畑から造られる個性的なスパークリング
もあり、

Arrasや、Freycinetのように、
10年以上、澱と接触させている、
シャンパンとも、
他のニューワールドの
親しみやすいスパークリングとも
異なったスタイルの
プレミアムスパークリングを造っている
ワイナリーもあります[かわいい]

まだまだタスマニアは、ワイン造りが始まって
30年とのこと。

それでも、どこの地域にも、
素晴らしいワインを造っている
リーデイングワイナリーがあり、
産地を引っ張っていているのを見ると、
感動します[ぴかぴか(新しい)]

Arrasのエド・カーは、
グルメトラベラー誌の
年間最優秀ワインメーカーにも
選ばれたことがある
偉大な醸造家ですが、
とても謙虚な方です[ぴかぴか(新しい)]
恥ずかしそうにワインを説明する姿を
見て、ますます好きになってしまいました[ぴかぴか(新しい)]
テイステイングノート.jpg

仕込んでいます! [海外のワイン]

仕込がみが増えていくように、
夜間シフトにも少しずつ慣れてきました[ダッシュ(走り出すさま)]
星が見ながら、
ぐっと冷え込む夜の作業に耐えて、
日の出を拝み、
一日の仕事を終えるのも、
悪くない生活です。

ワインメーカーが言うのには、
ここ2週間が山場になるだろうということ[ひらめき]

葡萄が畑から運ばれてくるのは、
夜が多いので、
夜間シフトでは、プレスをしたり、
クラッシュの毎日です[夜]

チームは、とっても優秀で、
3機のプレス機を、
全て稼動させるのはもちろん、
プレス機によっては、
12時間のシフトのうちに、
3回[exclamation]まわすものも・・・

と、さらっと書いておりますが、
これは、結構すごいことです(笑)

私は、果汁処理を担当しているのですが、
チームのおかげで、
フリーラン、プレス
とタンクを分けながら、
まだ失敗が無くほっとしています[ぴかぴか(新しい)]

こういうとき、ワイン造りは、
一人ではできないことが多いけれど、
力を合わせると、
何倍の作業もできてしまう。

そんな力のすごさを実感します[ぴかぴか(新しい)]


ピノノワール[ぴかぴか(新しい)]
PN777フラッシュ.jpg


夜なので、写真がきれいに撮影できず、
申し訳ありません・・・[あせあせ(飛び散る汗)]


タスマニアは、オーストラリアというよりも、
ニュージーランドの気候に
近いような印象を受けます[晴れ]

ピノムニエ[ぴかぴか(新しい)]
PMグレード1.jpg


ここのところの日照量で、
シャルドネも小粒に・・・
シャルドネグレード1ビン.jpg


そして、海風が強いです・・・[リゾート]

ステイルワインも仕込みました[exclamation]
初のスティルワイン仕込みは、
やはり糖度の上がりやすいピノグリでした[ぴかぴか(新しい)]
ピノグリアップ2.jpg


House of Arrasのワインたち[ぴかぴか(新しい)]
エントリーレベルのノンヴィンテージでも、
4年澱と接触させています[ひらめき]
P1020351.jpg

やはり、オーストラリアワインは、
Competitiveだと思います。

アラスの瓶内二次は、
最低4年、
遅くデゴルジュマンするものは、
11年澱と接触させているものもあります[ぴかぴか(新しい)]

そこがやはり、新世界の良さであり、
新世界のワインを学ぶたび、
自分も挑戦者でありたいと
つくづく思います[ぴかぴか(新しい)]

タスマニアに到着☆ [海外のワイン]

二回のトランジットの後、
無事にタスマニアに到着しました[exclamation×2]

メールを返せていない皆様、
申し訳ありません[あせあせ(飛び散る汗)]

タスマニアの森の中、
ネット状況はあまりよく無くて、
ごめんなさい[ふらふら]

今週から訓練と、試験に入り、
来週からは、いよいよ
醸造が始まります[ダッシュ(走り出すさま)]

今日はシフトが発表になりましたが、
初の夜勤です[夜]

オーストラリアや、南米の
ワイナリーの中には、
24時間稼働しているワイナリーも
多く、この場合は、
昼と夜の二部制になります[あせあせ(飛び散る汗)]

と、貧乏クジをひいたような
話し方ですが(笑)、
葡萄がワイナリーに入ってくるのは、
夜と聞いたので、ワインメーカーに
自ら志願してしまいました(笑)

今年の醸造期には、私も含めて、
3人の女性醸造家が働いています。

「夜勤の女性は、彩奈1人だね~」
と、ニュージーランドから来た
女性醸造家が、笑っていましたが(笑)、
こういう時、男性だったら良かったのになと、
ちょっとだけ思ってしまうのです。。




今年のヴィンテージに行ってきます! [海外のワイン]

春一番が吹きました[かわいい]

私にとって、いよいよ今年も南半球へ
醸造に行くのだという知らせです[ダッシュ(走り出すさま)]

正直、一年に2度醸造するという
この生活が、ここまで続けられるとは
思っていませんでした。

それでも、やはり人生勉強なのですね・・・(笑)

6年目を迎えた今年、選んだのは、
タスマニア[ぴかぴか(新しい)]

瓶内二次発酵のスパークリングを
勉強できるところを探していました[ダッシュ(走り出すさま)]

グレイスワインでは、
2008年から瓶内二次を
造っています[あせあせ(飛び散る汗)]

おかげさまで好評をいただいておりますが、
生産性を上げるためには、
今まで、シャンパン方式に関しては、
机上の勉強しかしたことが無く、
実践の経験を積みたいと思っていました。

国内市場では、アンセストラル方式のものや、
気圧が低めの泡が人気のように思えますが、
グレイスワインが造りだすスパークリングは、
やはり瓶内二次でなければ、
お客様に納得して頂けないと思っています。


新世界で、高品質な瓶内二次を
造っているワイン産地・・・と言った時、
真っ先に思い浮かんだのが、タスマニアでした[ひらめき]

リーン・シェリフMWに相談したところ、
新世界では"only direction!" と背中を押して頂きました[ぴかぴか(新しい)]

そこで、素晴らしいワインリストを持っている
シドニーのレストランに勤めているお友達に、
尋ねてみたところ、親切に
いくつかワインを送ってくれました[ぴかぴか(新しい)]


残念ながら、タスマニアのワインは、
日本にはあまり入ってきていないようです・・・

お友達に送っていただいた中で、
最も心を捉えたのは、
Arrasというワイナリーが造っている
澱との接触期間が7年というものでした[かわいい]

お友達曰く、
"House of Arras"のワインメーカーのエドさんは、
タスマニアで、カリスマ的存在だということでした[ぴかぴか(新しい)]

そんなエドさんのもとで働いてみたいという
気持ちも強くなり、メールを出したところ、
研修させていただけることになりました[晴れ]

そしていよいよ明日出発・・・[飛行機]

ヴィンテージに行く前は、
いつもとても緊張します(笑)

知らない土地、知らない仲間・・・
それでも、住めば都[わーい(嬉しい顔)]

ワインがつなげてくれると
信じています[ぴかぴか(新しい)]

そして、最初できないと思っていたことも、
繰り返してやれば必ずできるようになります。

醸造に集中するため、髪の毛を短くしました。
それでは行ってきます[exclamation]
タスマニアへ.jpg

分析の仕事は収穫後のほうが多くなります [海外のワイン]

収穫が終わっても、分析は続きます[あせあせ(飛び散る汗)]
アルコール発酵を終えたワインは貯酒に入り、定期的にマロラクテイック醗酵の経過をチェックします。マロラクテイック醗酵とは、乳酸菌によるりんご酸から乳酸への減酸ですが、分析方法もいくつかあります。アルコール発酵のときは、タンクで行なわれていたものも、マロラクテイック醗酵になると樽に既に移されていることも多く、分析する量が多いので、できるだけ簡潔に分析できる方法がここでは必要になります。カテナではクロマトグラフィーを使った分析方法が取られています[ダッシュ(走り出すさま)] クロマトグラフィー.jpg


分析の合間、おやつに食べるクロワッサン・・・
media luna.jpg

アルゼンチンのスペイン語では「media luna」(半月)と言います。クロワッサンもフランス語で三日月の語源ですが、半分の月、と言う言い方がなんとなく気に入っています[ぴかぴか(新しい)]



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二度目のカテナ [海外のワイン]

去年の醸造期に働いていたカテナに着き、2週間とちょっとが経ちました。

今年の収量は、去年の3分の2程度なので、経営者泣かせの年になりそうですが、それでも醸造家たちは、しっかりしたワインを造ろうと奮闘しています[ダッシュ(走り出すさま)]

アルゼンチンでは、チリと同じように、醸造家が、作業に入ると言うよりは、醸造家は指示をするのみで、実際に作業に入るのは、ワーカーと呼ばれるひとたちです。

去年は、彼らをコントロールするような仕事をしていましたが、今年は、主にカテナのラボで働いています[ひらめき]
分析中.jpg


カテナのラボはさすがしっかりしていて、総酸、pH、糖度、アルコール、亜硫酸、残糖の分析はもちろん、揮発酸、ポリフェノール、りんご酸の含有量もここで測定することができます。


南アフリカの海洋性気候からやって来ると、同じ新世界と言われるくくりでも、メンドーサの大陸性気候が全く違うものなのだと感じます。


メンドーサに限らず、アルゼンチンの葡萄畑は、非常に高い標高にあります。カテナの畑も、800m~1500mに位置し、非常に多様な気候を持っています。

南アフリカでは、白ワインを主に見ていたので、二度目になるカテナの赤も、新鮮に感じられます[ぴかぴか(新しい)]

一つの醸造期で2カ国を渡るのは初めてでしたが、こうしてみると、ワインは風土が造り出すものだけではなく、人が造るものでもあり、携わるひとたちの、文化や国民性がワインの発展に影響を与えていることを実感します。


例えば・・・・アルゼンチン人の醸造家たちはタフです(笑)醸造期でも、帰宅するのが朝になったとしても遊ぶことを忘れません[わーい(嬉しい顔)] 

仕事のあとにコンサートに行きました(笑)
コンサート.jpg


ワインは、彼らにとって音楽や食事のようなものなのだとつくづく思います。醸造期に、朝まで出かけるのは、今のところアルゼンチンだけです(笑)
コンサートセシパウラ.jpg


ハスケル [海外のワイン]

2月にイギリスへプロモーションへ出かけた際、南アフリカにヴィンテージに行くことを告げると、ジャンシスロビンソンMWから、「絶対会ったほうが良い」と勧められたワインメーカーがいます[ぴかぴか(新しい)] 彼女は、ステレンボッシュのHaskellというワイナリーで、ジェネラルマネージャーと醸造責任者を務めるリアニという女性醸造家でした[かわいい]

ハスケルは、ロンドンのインターナショナルワインチャレンジでも金賞を得ているように、南アで最も優れたシラー生産者とも言われています[かわいい] 5年前にステレンボッシュ大学院に留学していたときは、ボルドーブレンドよりもシラーに魅了されたので、ここでリア二から、ワイン造りの話だけでなく、シラーの話を聞けたら面白いだろうなと感じていました[ぴかぴか(新しい)]

そして、どこの国でも、優れた女性醸造家に会えるのは、とても楽しみなことです[るんるん]
どんな人なのかな??と色々想像しながら待っていると、リアニが現れました[exclamation]

自己紹介すると、「私たち、ナパで会ってるよ」とリアニに言われ、ハッとしました[ひらめき]

2年ほど前、女性醸造家のシンポジウムがナパであり、ジャンシスから推薦されて、南アフリカ代表で参加していたのがリアニでした[exclamation×2] 
そう言われて記憶がはっきり甦りました[exclamation] 
アメリカとフランスを中心に、100人以上の女性醸造家が参加していたと思いますが、リア二の印象は強くて、栽培、醸造、マーケティング、どれも鋭く、「すごい醸造家がいるなあ」と思ったものでした[あせあせ(飛び散る汗)] アジアのワイナリーからは私だけだったので、リア二は覚えていてくれたんだと思います。

ステレンボッシュは、ケープポイントよりも、太陽の日差しがずっと強いです[晴れ] 
南アフリカは、大西洋とインド洋に面していますが、ケープポイントは、大西洋側にあります。大西洋は海水の温度が冷たいので、「Cold sea」と呼ばれ、海側から吹くフレッシュな風が、ソービニヨンブランに適度な涼感を与えていると思います。地元の人たちが、サーフィンをしたり泳ぐのは、専ら温かいインド洋側です[リゾート] ただ、鮫(ホワイトシャーク)がうようよしているので、慣れない私は泳がないようにしていますが(笑) 
リアニのいるステレンボッシュは、海側でなく、大陸の内側に入ったところです。リアニに、「ステレンボッシュは、どんな品種が合うと思うか?」と聞かれ、やっぱり思いつくのは、シラー、そしてボルドー品種でした。

ボルドー品種だと、熟成という意味で、カベルネが魅力的だと思います。ただ、リア二も言っていたのですが、カベルネの場合、未熟な味わいを現すメトキシピラジンという物質のように、どういうスタイルがよくて、どういうスタイルだったら悪いというプロファイルが決まっているので、シラーのほうが自由にワイン造りをできる気がします。それでもリア二は、本当にこれから自分が目指したいのは、ボルドー品種のプレミアムワインだと言っていました。リア二は、ハスケルの醸造責任者から、少しづつコンサルタント業に移り、今は、自分の畑を始めています。そのことについて、「子供のために何か残すことを始めた」と言っていました。リア二は、私よりは10歳ほど上だと思うのですが、3人の子供のお母さんでもあります[ぴかぴか(新しい)]

リアニのワインは、クラッシックな造りをしていて、テイステイングできたのは面白かったですし、彼女の醸造家人生にも触れられたことが心に残りました。

ワイン栓 [海外のワイン]

今、ワイン栓には、いろいろな選択肢があります。

コルクでも、天然コルクもあれば、合成コルクもあり、ニュージーランドやオーストラリア産ワインに多いスクリューキャップ、またガラス栓やプラスチック栓もあります。

やっぱり見た目がきれいなのは、天然コルクですが、天然コルクには、ブショネとよく表現されるコルク臭汚染の問題がつきまといます。通常5%程度の汚染とは言われていますが、実際は多い時で、10%近くのブショネが出ることもあります。
原因となるのは、TCAに代表されるクロロア二ゾール類です。例えば、TCAは、木材に含まれるフェノールと塩素の反応、微生物の代謝が作用し生成されます。前駆物質をたどれば、汚染源ははっきりしますが、「TCAはどこから来るのか」という問いには、さまざまな見方があるようです。
醸造家は、ワイナリー内で塩素を洗浄に使わない、衛生に気をつけるなど、コルク汚染を防ぐために意識していますが、既にコルクガシ(コルクの木)の段階で、TCAが検出されている例もあります。

コルク臭が特に醜い欠陥臭とされるのには、100%は避けられないという他に、少量でも感知しやすい香りという性質があるからだと思います。
ワインコンクールで、審査員をすることがあるのですが、ブショネのワインは、予備のワインに取りかえられます。しかし、その予備のワインが健全だったとしても、どうしても点数が伸びていきません。それは、不快なイメージを取り除くことが難しい香りだからだと思います。このことに気付いた時、これだけ今、ワイン栓の選択肢がある中、ブショネというのは、不運ではなく、醸造家の責任にあると感じました。

中央葡萄酒では、天然コルク、合成コルク、そして今年からは、スクリューキャップを導入します。合成コルクの中には、いくつか種類がありますが、実際にいろいろ試し、DIAMというタイプにたどり着きました。いずれは、質の高い天然コルクと、スクリューキャップの二本化にしたいと考えています。

ガラス栓の見た目はきれいですが、空気との接触が多いことで甲州には向かないと考え、またプラスチック栓は、女性目線からあまり美しいと思えなかったので、採用しませんでした。


ところで、Catenaが採用しているのも、天然コルク、DIAM、スクリューキャップの3種類です。
天然コルクは、全てのロットで、必ず醸造家が試験を行います。

ロットのコルクをそれぞれ、ワインの入った容器に入れ、24時間ひたし、醸造家が、コルクなしのコントロールと比較をしながら、テイステイングをしていきます。
カテナの規模のワイナリーでは、大変な仕事ですが、意味のある仕事だと思います。
TCA.jpg

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